2005/08/21 ひとり夜の蕎麦編
店に入ると初老の店員が満面の笑みで迎えてくれる。店の奥は明かりが落とされ、必要スペースの電灯だけがちっちと部屋を明るくする。俺がテレビに背を向け奥の座敷に座ると、じいさんがキビキビと動いて麦茶を差し出してくれた。柔和を超えて覚束なささえ感じる様相の持ち主だが、そつなく芯のある仕事をする。そいつは立派だが、ここもおしぼりはなしか。最近そんな蕎麦屋ばかりにあたりやがる。
肴のないさみしいメニューを見て嘆息を漏らし、酒も諦め「とろろ(一枚)」(900円)を頼む。すると、とろろに黄身が入るが大丈夫かと確認してくる。ノープロっす ∑d(≧▽≦*) !! 丁寧な気配りに一瞬テンションが上がった気もするが、それからはずっと天井をぼうっと眺めている。あ~う~と頭の中でぼやいているとお新香をサービスされた。いやいや申し訳ない。それをぽちくりとつまみながら再びゆったりとした時間に身を委ねって、テレビうるせーな(※)。この辺で開拓した蕎麦屋の内テレビをつけていなかった店のが圧倒的に少ない。蕎麦屋は大人の憩いの場だら。谷のせせらぎがないなら Saty でも Bill Evans でも流しとけって思ったり、憩いの場なら野球中継は必須の要素かと思ったり、ぶつぶつメビウスの輪にはまり込んだころに蕎麦登場。
※ 音量は普通。俺がテレビに不慣れなだけ。
「とろろ」のそば
蕎麦はうっすらとだけ灰色がかった乳白色の細麺。お猪口にはびっしりと撒かれたのりの下にとろろと黄身が確認できる。つゆは関東風で甘味が強い(俺はこんくらいで良い)。節の香りはほんのり鼻腔をくすぐっていく。猪口の経が大きく掴みにくいきらいがあるが、蕎麦としてのバランスは俺の好みよりだ。
窓からは雨の夜風が流れてきて、しんみりとうまいひとり蕎麦が喰えた。にしても、あたたかい接客だったな。
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メニュー抜粋 (σ・∀・)σ
冷たいもの(すべて二枚組の価格) | |
もりそば | 740 yen |
ざるそば | 840 yen |
十割そば | 1370 yen |
うどんもり | 740 yen |
とろろ | 1260 yen |
天もり | 1480 yen |
天ざる | 1580 yen |
季節の冷たいもの(そば、うどん両方) | |
冷やしおろし | 840 yen |
冷やしトロかけ | 950 yen |
冷やしきのこ | 950 yen |
温かいもの(そば、うどん両方) | |
かしわ(鶏南蛮) | 740 yen |
海老天ぷら | 950 yen |
鍋焼き又はすき焼き | 950 yen |
ご飯もの | |
親子丼 | 840 yen |
海老天丼 | 950 yen |