2007/4/21 お散歩編
写真のみアップ。
カクテル | |
モスコミュール | 1000 yen |
ジンフィズ | 1000 yen |
ニコラシカ | 1000 yen |
◎ 老舗バー、再び歩み 2年前に閉店 34歳女性が引き継ぎ
2014年09月27日(土)
数多くの客に惜しまれながら2年ほど前に閉店した伊那市坂下のバー「露都(ろと)モスコー」が、復活した。市内の飲食店に勤めていた同市の井口のどかさん(34)が店名をそのままに引き継いだ。再開を喜ぶ常連や新たな若い客に囲まれ、「老若男女みんなが和気あいあいと過ごせる店にしたい」と歩み出している。
モスコーは昭和30年代に開業。クラシックやジャズなどのレコードが流れ、ちょうネクタイをした寡黙なマスター故唐沢基夫さんがシェーカーを振り、和服姿の妻和歌さん(80)が接客を担当した。二人三脚で営んだ店は、地元をはじめ県内外の人々に愛された。しかし、和歌さんが体調を崩して療養生活を送るようになり、基夫さんも1人でカウンターに立ったが、次第に休みがちに。基夫さんは昨年1月、80歳で亡くなった。
「落ち着いた空間で会話を楽しむ店を開きたい」と考えていた井口さんは今年2月、知人の紹介で空き店舗となっていたモスコーに出合った。年季が入った木製のカウンター、アンティーク調の照明…。レトロな雰囲気に一目ぼれし、「ここでやってみたい」と思いを膨らませた。
その後、唐沢さん夫妻の次女で女優・声優の栗林潤(芸名・唐沢潤)さん(53)=東京=と店で会い、開業への思いを伝えた。栗林さんは直感的に「彼女ならやっていけると思った」という。
栗林さんによると、基夫さんの父はロシア文学好きだった。店名はその影響も受けてモスコーと付けたという。井口さんは新しい店名も考えたが、栗林さんからかつての店の話を聞き、変えずにいこうと決めた。井口さんの父がトイレを改修し、母が名刺をデザインするなど開店を後押し。この夏、再び明かりがともり、屋外の魅惑的な赤い看板も暗闇に浮かんだ。すると、友人など新たな客だけでなく、閉店する前に来ていた人たちも訪れるようになった。中には、「もう店に入れないと思っていた」と言って泣きだす人もいたという。
「父も母も喜んでいる」と栗林さん。井口さんには、老舗の看板を背負うことになる重圧も想像するが、「肥やしにして乗り越えてほしい。彼女らしさを生かして花開いてくれればいい」と願う。井口さんは「以前のようなお店はできないけれど、昔のお客さんとも同世代とも長く付き合い、店と一緒に自分も成長していきたい」と話す。
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