2021/7/29 鄙の鮨店
長野県内で旨い鮨店というと『すし崇(長野市)』、『いぬかい(松本市)』はよく耳にする。
ほかアンテナを張っていると聞こえてくるのは、『菊寿し(上水内郡飯綱町)』、そして『中野屋(諏訪郡原村)』。
どっこも伊那から遠い店ばかり。
そんな中、この日は友人と原村の『中野屋』へ。
『中野屋』はホスピタリティと鮨の旨さと、その美味しさのわりには良心的な価格ということで評判が高い。
のだけど、
お絞りを変えてくれたり、
頻繁に熱熱の急須に変えてくれたり、
刺身ごとにたれが異なるためにその器を都度下げてくれたりと、
丁寧は丁寧だけど、見張られているみたいだし、なにより回数が多くて煩わしさを感じた。
落ち着かない。
俺はたれをほかの料理に使い回したりしたいから置いといて欲しいし、
猫舌に加えて夏場なので冷たいお茶がないならぬるくなったくらいのお茶が飲みたいし、
かと言って、店主が常連としか話さないように(それでよい)、
俺も初めての店でいちいちそういうことを店に伝えたくもない。
鮨については近所に住んでいるなら一度は訪れる価値があると思う。
俺は近所ではないので再訪の予定はない。
席に着くと飲み物はどうするか訊かれるが、
メニューは渡されない。
食事についてもメニューを出す気配はなく、
事前にある程度調べているからおまかせでお願いしたが、
なんでそんなにかたくなにメニューを出さないのか?
壁メニューがあるわけでもなし、時価で結構だから情報を提示してくれ。
なんて初見の客に厳しいことか。
苛立ちすら覚える。
かと言って「メニューをください」なんてくだらぬことをこちらから言いたくない。
それを口にしてしまうや、たぶん敗北感がやってくる。
ともあれ、食事開始 (*゚∀゚)=3
縞鯵
鱸
酒が欲しい。米が欲しい。
甘海老
塩で。
ねとりというよりぷるっとしていて存在感のある身質。
鯵
生姜醤油が出される。
鮎塩焼き
内臓のほろ苦さとかすかな甘み。
塩加減も良好で、旨い。
友人もたいそう気に入った様子。
ほぼ抵抗なく頭から食べられるこのサイズ感がよいね。
鰹
玉葱生姜にんにく醤油。
それにたっぷりと付けて食べてくださいって。
冷え冷えのたれと冷え冷えの器 (o'ч'o)ンマー
いざ、鮨開始 \(・∀・)/
『中野屋』の鮨はみな仕事がされていて、
醤油を使うことはなかった。
俺は鮨店じゃ鮨だけをたらふく食べたい。
なので、おまかせって言っても「鮨をおまかせで」って伝えたつもり。
なのに出てきたのは説明のない勝手なコース。
だから齟齬が生じないようメニューを提示せよって話だ。>『中野屋』さんよ
ほんと鮨店って偉そうだな。
鱸 昆布締め
しっこりしっとり。
店主、鱸だけ「すずきさん」と敬称を付ける。刺身のときも。
金目鯛
プリプリこりこり。
蝦蛄
ぶりぶりぎゅっとした身質で想定とあまりに違ってびっくり。
炊くのに使ったのか鰹節の香りがものすごい主張。
飲み込んだあとには、いつまでも鰹節の香りだけが鼻腔に漂うほどで鬱陶しい。
鰹
にんにく効いていて美味いけど、
にんにくは OK かとか訊ねられないんだな。
メニューもくれないし。
あおり烏賊
塩。
新子
独特の香り。
酒肴にはよいが、そのまま食べるのは俺はいつも気になる魚。
つまりは自分からは頼まない。
なぜなら好みではない。
小鰭(こはだ)
新子が大きくなったものという説明とともに提供される。
江戸前っていうと必ず出てくるけど、みんな小鰭を美味しいって思うの?
『中野屋』についての話じゃないけど、
江戸前ってスタイルにこだわりたいなら、
鮨種もぜんぶ東京湾で捕れたものに執着しろよって思う。
結局、江戸前ってのは今は「ひと手間掛けた鮨」の意味で使われているのだろうけど、
そのくせサーモンは出せないと言う。
まあサーモンは要らんけど。
鰯
すごくよい香り。脂ののりもよい。
この店の米にこの鰯が一番合っていると友人。
なるほどそのとおりだな。
小鯛
えぼ鯛
鯖
雲丹
よい香り。
雲丹がいつからか抵抗なく喰えるようになったけど、単に美味しい雲丹を食べているだけかも。
浅利
漬け鮪
事前に俺は鮪の良さが分からないって話を友人にしていたけど、これはふたり揃って旨いね!ってなった。
鰯とこの鮪がもう一度食べたい鮨。
おつゆがでてきて、
巻物がないけどこれでお仕舞いかなって思ってそういう心構えを作っていたら、
まだもう少し鮨は続いた。
あとどれくらいあるとか、そういうの言う程度の気遣い欲しいよね。
回る鮨だって液晶で未着の数を確認できる。
トロ
穴子
干瓢巻きと玉子焼き
出汁いっぱいの玉子焼きと、
山葵入りの干瓢巻き。
ご馳走様したら最後にかっぱ巻きを手渡しでくれた。
やたら胡瓜の皮の主張の強いバリバリハリハリした奴。
俺の胡瓜嫌いを差っ引いてもどうにも美味しくない。
これまでの食事がぜんぶ台無し。