◆ おたぐりに関するニュースの手控え ◆
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◎ 馬モツ「おたぐり」信州に2派 塩も味噌も 歯応え良し
2015/11/10付
馬の産地でもあった長野県では馬刺しや桜鍋などで馬肉を食べる文化がある。中でも飯田、伊那両市を中心とした伊那地域限定の珍味が、馬のモツを長時間煮込んだ「おたぐり」だ。独特の歯応えや味付けで地元では居酒屋のメニューに欠かせない存在で、スーパーなど店頭でも広く売られる。飯田市と伊那市で味付けや食べ方も異なるのも特徴だ。
JR飯田線の飯田駅前にある居酒屋、〆清(しめせい、飯田市)は、古くから飯田市でおたぐりを主力のメニューとして出し続けている店の一つだ。塩水で長時間煮込まれた大きめのぶつ切りになった馬のモツを小皿に多めに盛りつける。普通のモツ煮込みに入っているこんにゃくなどの他の具材は入っていない。切り身が大きく豚や牛のモツ煮込みにはないしっかりした歯応えがある。塩味もきいてビールや日本酒のつまみにぴったりだ。
50年以上おたぐりを作り続けている林徳一さん(74)は「私が先代から店を引き継いだ昭和30年代は、当店のつまみはおたぐりだけだった。一品勝負でもよく売れた」と話す。馬肉はモツも含めて輸入肉が主流だが、同店は県内産のモツを使い、まきを使ってかまどで煮炊きするなど昔ながらの調理法を守り続ける。
農耕馬の木曽馬などを産出してきた長野県では、老齢で作業に使いにくくなったりした馬の肉を食肉として食べる文化があった。県内で馬の腸であるモツまで食べるようになったのは飯田市で大正時代からといわれる。馬の腸は牛や豚より長く、内容物を取る下処理をする際に手でたぐり寄せるようにしないとかき出せない。その作業の様子が「おたぐり」の名称の由来になったという。
各店は調理の際、食肉卸からモツを仕入れた後も、臭みを極力残さないようにするため1~3時間かけて丁寧に洗う。その後2~5時間水だけで煮て、味付けをするためにさらに1時間程度煮るというのが大まかな流れだ。
水で煮た後の味付けは店によって異なる。「発祥の地」とされる飯田市では、〆清のような塩味の煮込みが主流だ。モツも大きめのぶつ切りで出す店が多く、つまようじで刺して食べる。「薬味をかけずに、そのまま食べる人も多い」(林さん)
飯田市より遅れて戦後からおたぐりを食べるようになったという伊那市では、味付けは豚や牛のモツ煮込みにも多い味噌味が主流で、切り身は飯田市より小さめだ。薬味にネギがかかっていることも多く。歯応えがよりやわらかい。
飲食店・仕出しの越後屋料理店(伊那市)は市内でおたぐりを最も早くメニューに取り入れた店の一つだ。福沢栄治専務(50)は「当初から味噌味だった」と話す。
板屋精肉店(同)は戦後は精肉店として飯田市にモツを販売していたが、約30年前に飲食店を出店した後は、おたぐりをメニューに加えた。精肉店のとなりの焼肉いたやでは注文が相次ぐ。唐沢誠社長(62)は「臭みが取りやすいため、伊那市では味噌味が広がったのではないか」とみる。
両市やその周辺以外では「信州料理」を掲げる県内の飲食店で馬肉料理があってもおたぐりはほとんど見かけない。逆に両市ではスーパーなど小売店でもおたぐりが手に入る。
伊那地域を地盤にスーパーを展開するニシザワ(伊那市)のベルシャイン伊那店では「今夜の酒の肴(さかな)にいかがでしょうか! 伊那名物馬もつ煮」などの店頭広告とともにおたぐりが売られる。「秋には一日平均30食が売れる定番商品」(同店)という。
観光客の来客が多い越後屋料理店は、馬肉の定食におたぐりを入れているが「切り身を小さくし、臭みも消しているためか、馬のモツを使った煮込みと気づかない人も多いようだ」(福沢専務)という。
伊那地域は天竜峡(飯田市)、高遠城址公園(伊那市)など紅葉が見ごろを迎えているところが多い。紅葉狩りの帰りに付近の居酒屋に立ち寄り、地酒を一杯傾けながら、馬刺しと一緒におたぐりをつつくと、伊那の食文化も堪能できる。
- http://www.nikkei.com/article/DGXKZO93789370Z01C15A1NZ1P01/ -
◆ 更新履歴 ◆
◎ 2014/4/13 『しみずや(伊那市)』の「おたぐり定食」を追加。
◎ 2011/6/8 『千田(せんだ)(伊那市)』の「おたぐり」を追加。
◎ 2011/4/23 いざ作ってみたら、思ったより開拓数が少ないことを思い知らされた (・A・`*)グヌヌ
◎ 2011/4/22 以前から「おたぐりリスト(おたぐりすと)」を作ろう作ろうと思っていたのを先延ばしにしていたが、昨晩布団の中で急に作らなきゃと思い立ったのでようやく作ることにした (「・∀・)「シャキーン